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日本学術振興会産学協力研究委員会
                     インターネット技術第163委員会
JSPS 163rd Committee on Internet Technology
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高齢者・障害者のインターネット利用分科会(UAI)

主査:渡辺隆行
副査:中山雅哉、植木真

2009年度活動報告(ワークショップの詳細等)

UAI研究会(http://www.comm.twcu.ac.jp/~nabe/UAI/)開催

2006年度から毎月東京女子大学で開催.2010年3月には第42回UAI研究会を開催した. 毎回の研究会では,論文紹介,企業の活動紹介,招待講演など,数時間に渡って,学界,企業,学生などの参加者と共に 研究会をおこなっており,UAI分科会の基礎力を向上させる場となっている. 2009年5月のITRC研究会では,ITRC会員以外も対象にしたUAIセミナーを開催した. しかし,UAI分科会の主力メンバーがJIS X 8341-3改正作業で忙しかった2008年度に続き 2009年度も分科会の主力メンバーがUAI研究会で発表する余裕がなくなっていることが問題となった. また,最近は若手の学生や研究者を呼び込めていないことや,ITRC会員以外の参加にハードルを設けていることが UAI研究会に参加しづらい状況を作っているのではないかということなどが課題となっている.

改正後のJIS X 8341-3の普及啓蒙活動

2009年度の活動計画で述べた「改正後のJIS X 8341-3の普及啓蒙活動」は当初の予定を変更し, CIAJが事務局をつとめる情報通信アクセス協議会の「ウェブアクセシビリティ作業部会」[1]として, JIS改正の主力メンバー,産業界や省庁の関係者を集めて活動を開始することになった. この計画初期のITRCのご協力に感謝しています.
[1] http://www.ciaj.or.jp/access/web/
これに関して,平成21年度の予算として申請していた
・レンタルサーバ:月1万円×12ヶ月=12万円
・DBシステム構築:10万円
を執行できませんでした.活動計画が甘かったことをお詫びします.

NVDA日本語化プロジェクト(http://sourceforge.jp/projects/nvdajp/)

昨年度に引き続き、無料でオープンソースのWindows用スクリーン・リーダー、NVDAを日本語化し、 普及させるために活動を行った。 NVDAのメッセージ翻訳及びユーザーガイドの翻訳はほぼ終了し、 日本語化残作業の大きな課題のひとつである漢字の変換候補読み課題(通称NVDAJP-IME)に関しても作業の進展があった。 また、プロジェクト内外向けの情報発信にも注力し、毎月のNVDA開発や日本語化の進捗状況をWeb上で発信するようにしている。
a) 関連リソースの整備
(i) 日本語版追加機能に関するドキュメントの作成と、ユーザーガイドへの追記
b)の日本語化残作業が昨年度報告時点で予定していたよりも多く残ったこともあり、 本作業については次年度以降へ持ち越しとなった。
(ii) NVDA日本語版の情報を集約したWebサイトの立ち上げNVDA日本語化の作業をSourceForgeへと移管した。 最新のNVDA日本語版は、SourceForgeのNVDA日本語化プロジェクトからダウンロードすることができるようになっている。
http://sourceforge.jp/projects/nvdajp
(iii) ユーザーコミュニティの運用 (http://groups.google.com/groups/nvda-japanese-users/)
ユーザー間のコミュニケーションや、NVDAに関する質問などを共有する場として、 Google グループのユーザーコミュニティの運営を継続している。現在は97名ほどのメンバーが参加しており、 NVDAの使用方法などに関する質問や回答などがML宛てに投稿されている。
b) 日本語化残作業の達成
(i) 漢字の変換候補読み課題への対応
英語版のスクリーン・リーダーのメッセージを翻訳しただけでは、日本語を読ませることはできても、 文字を書くことができない。そこで本プロジェクトでは、漢字変換を行う際の変換候補をNVDAが読めるようにすることを、 もっとも重要な課題のひとつとして作業を続けている。昨年後半からは、毎月1度のペースで勉強会を実施し、 NVDAのソースコードのレビューを行いながら必要な改良を始めている。 今後は、日本語変換時の詳細読みのデータのライセンスに問題がなくなった段階で、 漢字の詳細読みが可能なNVDAのパッケージを公開し、改良を続けていく予定である。
(ii) 音声エンジンのNVDA対応
スクリーン・リーダーを視覚障害者が利用するためには、音声合成エンジンによる読み上げが必要である。 既存のスクリーン・リーダー利用者であれば、すでに何らかの音声エンジンを所持している可能性はあるが、 これからスクリーン・リーダーを使い始めようとしている利用者にとって、 NVDAに音声エンジンが同梱されていることは重要なことである。 本年度も引き続き、GalateaTalkという音声エンジンをNVDAで利用できるようにするための調整を続けてきた。 ライセンスの問題など解決しなければならない問題は残っているが、 NVDAの開発言語であるPythonを使ってGalateaTalkにメッセージを読ませるなど、少しずつではあるが開発作業も進んでいる。 ただ、ライセンスの問題などの関係で音声エンジンの同梱に時間がかかってしまう可能性もあることから、 NVDAパッケージに同梱可能な音声エンジンに関しては、一つのエンジンのみにこだわらず、 そのほかの候補についても検討を続けていく必要がある。
(iii) そのほかの課題への対応について
NVDAで文書を書いている場合など、カーソルを移動した先の漢字の詳細読みが必要な場面がある。 また、現在NVDAが読むことのできない、マルチバイト記号の読み上げへの対応も、重要な日本語対応機能の一つである。 今年度は特に、上記のNVDAJP-IMEへの対応を中心に作業を行ってきたが、次年度はこれらの問題への対応にも着手していきたい。
c) ユーザー向けの普及活動の実施
2009年8月より、毎月1度のペースで本家NVDAプロジェクトと、日本語化プロジェクトの作業進捗状況を記事で紹介している。 また、東京女子大学現代文化学部コミュニケーション学科 渡辺ゼミの学生を中心に制作されたNVDAの操作ガイドを公開した。
http://nvdajp.sourceforge.jp/howto/manual/
d) 開発貢献者候補向けの普及活動の実施
昨年度報告以降に当時の段階で必要最低限の協力者を得ることができたため、今年度は主立った活動をおこなわなかった。 現状では共有が進み、人数を増やす土台ができたため、次年度は活動を再開する予定である。
e) 上記以外の活動
NVDA本家の英語メッセージの翻訳についてはほとんど終了したが、追加項目が発生した場合に翻訳をおこなった。 ユーザーガイドの翻訳もほぼ終了し、次年度の早い時期に本家のユーザーガイドとの比較を行い、 問題がなければ本家のパッケージに組み込みを依頼する予定である。

ライブイベントの情報保障

5月22日に開催したUAIセミナーでは,安価な既存サービス(stickam)による音声付きビデオ配信と, 安価な既存ツール(IPTalk Broadcaster)/サービス(Skypeチャット)を組み合わせライブで会場での要約筆記データを配信し、 遠隔参加者への情報保障を実施した。第37回UAI研究会 (2009年6月20日)で活動報告するとともに、 第38回UAI研究会 (2009年7月18日)では 要約筆記支援者を交え 課題やライブイベントの情報保障に対する可能性を議論し 技術的な課題や運用的な課題をシェアした。
・字幕のみ別形態(Skype)となり、画面と一体にできなかった。
・画像よりも音声をキレイに録ることの方が実は難しい。
・プレゼン資料が同期して配信できていない、また動画だけでは不鮮明であった。
・要約筆記データの配信に関し、要約筆記者団体との調整が必要であった。今回は暫定的に、以下の旨覚書をしているが、 今後更なる検討が必要。
- 「リアルタイム入カデータ配信に際し、(途中省略)そのデータは配信元及び配信先に蓄積しない」→ 配信元でのシステム等改善にデータが活用できるよう配慮が必要。
- 「リアルタイム入カデータを配信する対象者は配信元が確認した限定者であり、不特定多数への配信は行わない」→ 不特定多数を対象にしたライブイベントの情報保障に懸念あり。

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