第 41 回インターネット技術第 163 委員会研究会 (ITRC meet41) の開催概要です。
日程
- 2017 年 5 月 18 日 (木) ~ 5 月 19 日 (金)
会場
- 筑波大学 東京キャンパス 文京校舎 134講義室 (1階) (交通アクセス)
主催
テーマ
参加費
研究会の参加費は無料となっております。今回は宿泊の予約等は行いませんので、必要な方はご自身で手配下さいますようお願いいたします。
参加申込み
こちらのフォームから参加申込を受け付けております。交流会参加をご希望の方は、5/10(水)までに申込をお願いいたします。
デモ展示
デモ展示をご希望の方は、meet41 デモ展示要項を参照し、下記問い合わせ先にご連絡ください。デモ展示費用は以下のとおりです。
- 会員企業: 無料
- 非会員企業: 30,000円 (ただし 1 名まで交流会参加無料)
出展枠には数に制限があります。申込多数の場合には会員企業を優先します。
お知らせ
交流会の開始時刻を 18:30 に変更させていただきました。
直接交流会会場にお越しになる予定の方はご注意ください。
プログラム
5月18日 (木)
9:20 〜 9:30 |
オープニング |
9:30 〜 11:00 |
セッション1: CIS分科会
分科会の紹介 (5 分)
題目: 産学共同開発による「学認割」SPの可能性と課題
講演者:中村 素典(国立情報学研究所)、曽根原 登(津田塾大学/国立情報学研究所)、阿部 友哉(ウエルネット株式会社)
概要:
国立情報学研究所が全国の大学との連携・協力により事業化した学術認証フェデレーション「学認」(GakuNin)は、参加大学が180校、登録ID数は150万を超え、新たな学術情報サービス・イノベーション創成の基盤としての役割が期待されるまでになってきました。
学認のさらなる普及・大衆化を促進するためには、学術利用に留まらずビジネス利用の推進が重要であるとの考えから、様々なサービスの利用において学認により割引の適用を受けられる「学認割 GakuNinWari」の検討を進めてきました。
その第一弾として、学認加盟大学の学生が、学会参加や帰省、就職活動などにおいて、都市間高速バスのオンライン予約における学生割引を学認により簡便に実現するサービスを、ウエルネットとの共同研究において開発しました。この学認割サービスを全国の大学等学術機関に展開したいと考えています。
本講演では、学認の現状と新たな価値創成、学認の社会インフラ化、学術情報基盤と学術活動支援について述べるとともに、公共交通事業から見た学認の魅力、多様な学割をサポートする学認割ポータル、高速バス学認割システム、学割定期システムの仕組みを紹介し、学認による割引サービスの導入に向けての要望や課題について、個人情報保護活用やSPやIdPの信頼性評価などの観点から、大学の現場の先生方の意見を伺いたく思います。
題目: NW-DIY で実現したい社会
講演者: 加嶋 啓章 (富士通)
概要:
現代社会はさまざまな IP ネットワーク技術 (IP, PPP, VPN, MPLS…) で 成り立っています。しかしそれらの技術を改造したり新規提案する試みは 多くありません。多くのひとがWebなどで多彩なサービスを作っているように 多くのひとが IP ネットワーク技術を作ることを可能にするための基盤として NW-DIY を開発したので、その目的を共有するとともに、技術開発を活性化 させる方法について議論したいと思います。 |
11:00 〜 12:30 |
昼食 / デモ展示準備 / ITRC運営委員会 |
12:30 〜 13:10 |
セッション2: 特別講演
題目:
「インターネット技術への挑戦の個人的体験」
~就職・転職・起業・株式上場・M&A・上場廃止・Exit・買戻し・再起業を通じて~
講演者: 藤原 洋
株式会社インターネット総合研究所 代表取締役所長
株式会社ブロードバンドタワー代表取締役会長兼社長CEO
一般財団法人インターネット協会理事長・IoT推進委員長
一般社団法人データサイエンティスト協会理事
SBI大学院大学副学長・教授/慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授/
京都大学宇宙総合学研究ユニット特任教授/豊橋技術科学大学客員教授 |
13:10 〜 14:00 |
セッション3: UAT/MINX分科会
分科会の紹介 (5 分)
題目: ユニバーサル・アクセス技術(UAT)の現状と未来 *最新のIC技術でユニバーサル・アクセスを実現し、普及させたい* -
講演者: 釜江常好
概要:
障碍者に、「技術はここまで進んでいます。試してみませんか」、と言えるもの、例えば、音声入力、音声コマンド、物体認識技術、日本語OCR技術、ビーコン、NFCを活用したアプリを開発してきた。しかし現在の技術で実現できているが、「人手をかけて」、改良すべきものも多い。それらは、かな漢字変換の確度(人名、地名、駅名、会社名、など)である。
また、アンドロイドのアプリ開発者には、「障害者へ、配慮をして欲しい」アプリが多すぎる。
いろいろ努力してきたが、視覚障碍者での普及の困難さを実感している。例えば、ボランティアが関心を持っても、それらの人には、障碍者に教える知識が不足していることが多い。また、DAISYマニュアルを用意するも、DAISYを読む機器を持たない、障碍者が多い。
結局は、晴眼者にも魅力あるものを製作し、購入してもらわないと、事業として持続できない気がする。現在、Lineのユーザーなどを対象とする、「モールス信号ウォッチ」を開発しようと考えている。クラウド・ファンディングなどに頼ることになるので、大きな支援をお願いしたい。
題目: アウトカムリサーチのための障がい者登録の必要性
講演者: 水島洋, 佐藤洋子, 橘とも子(国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター)
概要:
臨床データベースの構築が各疾患分野ですすんでおり、その標準化のためのガイドラインの策定などを昨年度から行ってきているが、臨床効果を評価するためにはそのそのアウトカムを把握することが重要である。しかし、現状の臨床データベースが医療者側で構築されていることから、障害を抱えた介護状態で福祉を受けている状態の把握が抜けていることが多い。また、国内においては障がい者や介護者のデータベースがないことから、実態把握がされていない。
海外でも同様であるが、台湾においては国際標準(ICFやWHODAS)を用いた障がい者登録が進められており、福祉政策の方針決定のためのエビデンスとして活用されている。
題目: 「情報薬」:つぎの展開へむけて
講演者: 辰巳治之, 新見隆彦 (札幌医科大学大学院医学研究科)
概要: (未定) |
14:00 〜 14:30 |
デモ展示紹介セッション
- アラクサラネットワークス株式会社
- FESTIVAL Project
- 株式会社シー・オー・コンヴ
- 情報通信研究機構 (NICT)
- 京都大学
- メラノックス テクノロジーズ ジャパン株式会社・株式会社マクニカ アルティマカンパニー
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14:30 〜 15:00 |
休憩 / デモ展示 |
15:00 〜 16:15 |
セッション4: RICC分科会
分科会の紹介 (5 分)
題目: 現実的なインタークラウド実現のためのコンテンツマイグレーションの研究開発
講演者: 柏崎礼生 (大阪大学)
概要:
仮想計算機のマイグレーションはインタークラウドを実現するための技術として全く実際的ではなかった。仮想計算機の利用者は必ずしも計算機全体を欲しているわけではなくデータとそれを利活用するアプリケーションがもたらすサービスが実現されていれば満足する場合があるからである。本発表ではサービスをデータとアプリケーション、およびその設定に分類し、異なるプラットフォームでサービスを稼働させるのに必要なコストを定量的に算出するプラットフォームの提案と、その展望について述べる。
題目: 分散ストレージの現在
講演者: 菅野 貴志 (レッドハット株式会社)
概要:
現在、分散ストレージ技術が従来の典型的な利用シーンを超えて広く採用されつつあります。それに伴い、分散ストレージの中核を担うソフトウェア型のツール、製品も増えてきました。そうした分散ストレージ・ソフトウェア群は、データを使用する側のアプリケーションやプラットフォームとも協調して動作する必要があるため、それらの技術動向からも大きな影響を受けながら発展しています。本セッションでは、そうしたツール群を概観・分類し、それぞれの最適な適用シナリオを考察します。
題目:モジュール型エッジコンピューティングプラットフォームの研究開発(仮)
講演者:近堂 徹(広島大学)
概要:
データに対する個々の処理をモジュール化して,広域ネットワーク上に協調しながら配置できるモジュラー型エッジコンピューティングプラットフォームの開発を行う。本発表では開発中のプラットフォーム概要およびモジュール内容について説明し,想定するアプリケーションについて述べる。なお,本研究は総務省平成29年度SCOPEとして実施しているものである。 |
16:15 〜 16:30 |
休憩 / デモ展示 |
16:30 〜 17:45 |
セッション5: 伝承セッション
ITRC が平成 28 年度から特別事業 (知識や技術の伝承等とりまとめ経費) として進めている「日本のインターネット普及黎明期におけるキーマン達の証言記録」。1 年目は現 ITRC 委員長である下條真司先生、九州工業大学の尾家祐二先生、そして第 1 期の発起人であった釜江常好先生、水島洋先生への公開インタビューを行った。2 年目となる平成 29 年度の第 1 回の対談は以下の方々をお招きして行う。
- インタビュワー
- インタビュイー
- 宮原秀夫 (ITRC 第 1 期委員長)
- 藤原洋 (ITRC 発起人)
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18:30 〜 20:30 |
交流会 |
5月19日 (金)
9:30 〜 11:00 |
セッション6: PIOT分科会
分科会の紹介 (5 分)
題目: バス安全運転支援システムの研究開発 (予定)
講演者: 秋山 豊和 (京都産業大学)
概要:
近年,バス運転者の高齢化や人手不足による労働環境の悪化による深刻な交通事故の発生が課題となっている.講演者らの研究グループでは,バスの安全運転支援システムの構築を目指しており,総務省SCOPEプロジェクトにおいて路線バスに設置したセンサから車両データならびに生体データを収集・可視化し,分析する機構を構築してきた.本発表では,構築した車両および生体データ分析機構の構成について述べ,これまでに収集したデータの分析結果について報告する.
題目: 情報銀行と情報取引の最新動向 (予定)
講演者: 真野 浩 (EverySense)
概要:
ビッグデータ、IOT の利活用には、情報の流通が不可欠です。現在、内閣府、総務省、経済産業省では、この情報流通のあり方について、制度設計やガイドラインの策定という動きが活発になっています。情報取引市場を推進するエブリセンスの真野が、情報流通に関する関連官庁の動きなどを踏まえて、そのあり方について解説し、広くITRCメンバーと議論を進めます。
題目:スマートIoTアプリケーションにおける仮名IDを用いたプライバシー保護通信技術
講演者:福島 裕介 (情報通信研究機構 (NICT))
概要:
スマートIoTアプリケーションとして、例えば車の自動運転に関してクラウドベースのアプローチによる実現可能性が検証されているが、車椅子の自動運転やナビゲーションはもっと複雑である。歩行者、指定エリア外の駐輪・駐車、その他障害物など、道路状況が時々刻々と変化する。また路面状況のより詳細な情報、例えば傾斜角度、速度に対する振動値などが必要となる。そのような情報入手のためには端末同士の直接通信が有効であるが、一方でグローバルモニタリングが脅威となる。よって社会受容性の観点から「通信の匿名性確保」と「発信者の否認拒否性」が必須となる。本発表では仮名IDを用いたスマートIoTアプリケーションのプライバシー保護通信技術について論じる。
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11:00 〜 12:30 |
昼食 / デモ展示 / ITRC総会 |
12:30 〜 14:00 |
セッション7: NWGN 分科会
分科会の紹介 (5 分)
題目: ブロードキャスト ACK を用いた DTN ルーティングのモデル化」
講演者: 川端 奈津子、山崎 康宏、大崎 博之 (関西学院大)
概要:
DTN (Delay/Disruption-Tolerant Networking) ルーティングでは、送信元ノードから宛先ノードに対して、ストア・キャリー・フォワード型の通信によってメッセージを配送する。これまで、さまざまな DTN ルーティングアルゴリズムが提案されている。その中でも、エピデミックルーティングは、メッセージを保有するノードが、接触した他のノードに対して常にメッセージの複製を中継することによって迅速なメッセージ配送を試みる。効率的な DTN ルーティングを実現する手法として、宛先ノードに到着したメッセージの情報をブロードキャストによって拡散する「ブロードキャスト ACK 」が存在する。これまで、モバイル無線センサネットワークを想定した、エピデミックルーティングにおけるブロードキャスト ACK の効果が数学的に解析されている。N 台のノード間における、単一メッセージのエピデミックルーティングをマルコフ連鎖によって表現することにより、複製されたメッセージが最初に宛先ノードに到着するまでの時間 (メッセージ配送遅延) およびメッセージの複製がネットワークから消滅するまでの時間 (メッセージ滞在時間) が導出されている。本発表では、既存の解析手法を拡張することにより、N 台のノード間において複数のメッセージをエピデミックルーティングによって配送した時のメッセージ配送遅延を導出する。
題目: 避難者・モバイル端末間連携型自動避難誘導における経路長と経路信頼性を考慮した避難経路選択方式に関する一検討
講演者: 原 崇徳、笹部 昌弘、笠原 正治(奈良先端科学技術大学院大学)
概要:
大規模災害発生後、避難者は迅速に避難先に移動する必要がある。既存研究では、避難者とモバイル端末、モバイル端末とネットワークが連携することで避難誘導の自動化を実現する方式が提案されている。ただし、避難経路に関しては最短経路が用いられており、避難経路の安全性に関しては十分に検討されていなかった。そこで本発表では、避難経路の長さと信頼性を考慮した経路選択方式を提案する。まず既存アルゴリズムを用いて、避難者の現在地から避難所までの推薦経路の候補を経路長の昇順にk (k ≧ 1)本求める。次に、それらk本の候補の中から、道路閉塞確率を基に導出した経路信頼度が最大となる推薦経路を避難者に掲示する。ここで道路閉塞確率とは、災害時に当該の道路が通行不能となる推定確率を表す。シミュレーション評価により、通信環境によらず、適切な推薦経路の候補数kを用いることで、避難行動中の通行不能箇所の遭遇回数を削減できるとともに、従来の最短経路選択と比較して平均避難時間、最大避難時間の増加を抑えられることを示す。
他、未定 |
14:00 〜 14:30 |
休憩 / デモ展示 |
14:30 〜 15:30 |
セッション8: PC企画セッション
題目: Agile Co-creation of Robots for Ageing based in FIWARE
講演者: Antonio Kung (Trialog)
概要:
The objective if the ACCRA joint H2020-NICT project is to enable the development of advanced ICT Robotics based solutions for extending active and healthy ageing in daily life by defining, developing and demonstrating an agile co-creation development process. Three applications (support for walking, housework, conversation rehabilitation) will developed and assessed in France, Italy, Netherlands and Japan. The ICT solution will integrate IoT features, supports two robotics solutions, Astro (Robot) and Buddy (Robot companion) and integrate a FIWARE platform. This presentation will present the project and explain the intended role of FIWARE in the project.
題目: FESTIVAL Project – Project Overview and Call for Experimenters –
講演者: 秋山 豊和 (京都産業大学)
概要:
FESTIVAL project’s vision is to provide IoT experimentation platforms providing interaction facility with physical environments and end-users, where experimenters can validate their Smart ICT service developments in various domains such as smart city, smart building, smart public services, smart shopping, participatory sensing, etc. FESTIVAL testbeds will connect cyber world to the physical world, from large scale deployments at a city scale, to small platforms in lab environments and dedicated physical spaces simulating real-life settings. Those platforms will be connected and federated via homogeneous access APIs with an “Experimentation as a Service” (EaaS) model for experimenters to test their added value services.
This presentation gives you an overview of FESTIVAL project and shows you how to join “Call for Experimenters”. |
15:30 〜 15:45 |
休憩 / デモ展示 |
15:45 〜 16:45 |
セッション9: PC企画セッション (802.11ai 標準化承認記念セッション)
題目: IEEE802.11aiの標準化への道
講演者: 真野 浩 (コーデンテクノインフォ)
概要:
無線LANの高速認証技術が、2016年末にIEEE802.11aiとして正式に標準化されリリースされました。
この技術は、1999年にITRCの委員らが中心になって考案されたプロトコルとコンセプトから発展したものです。
国際標準化の策定プロセスにおいては、技術論と異なる多くの課題とそれへの対応が求められます。そこで、IEEE802.11aiの提案から標準化までの6年間を振り返りながら、標準化活動への参加意義などを広く共用したいと思います。
題目: IEEE802.11ai技術仕様について
講演者: 森岡 仁志 (SRC Software)
概要:
昨年12月に出版されたIEEE802.11aiはAP発見・認証・上位レイヤセットアップの高速化により無線LANの初期接続を高速化する国際標準である。 本発表では、このIEEE802.11ai(Fast Initial Link Setup)の技術仕様について解説する。 |
16:45 〜 17:00 |
クロージング |
18:00 〜 20:00 |
意見交換会(委員のみ)
IEEE802.11ai標準化承認を踏まえ、今後の標準化等に関する意見交換会を行います。 |
交流会
2017 年 5月 18 日 (木) の 18:30 より交流会を行います。料金は当日受付にてお支払ください。一般 5,000 円、学生 2,500 円を予定しています。交流会会場は、茗荷谷駅から徒歩 1 分 (研究会会場から5分程度) のトラットリア ラ・クローチェです。交流会への参加を希望される方は、必ず参加申込みフォームから参加申込を行ってください。〆切は5/10 (水)です。
参加予定者
ITRC meet41 への参加者リストの公開は終了しました。
アンケート
ITRC meet41 での参加者アンケートは終了しました。
問い合わせ先
- PC: 小谷大祐 (京大), 小林克志 (東大)
- LA: 津川翔 (筑波大), 樋地正浩 (東北大)
- メールアドレス: itrc-meet41-worker [at] itrc.net
他の会合とかさなって、自分のセッションしかいられませんでしたが、お疲れさまでした。
会計上、無料だと参加しやすく、さらに東京だとより参加しやすいです。