設立趣意書

インターネット技術第163委員会(https://www.itrc.net/o/)は、我が国におけるインターネット技術に関する産学連携協力研究を推進することを目的とし、独立法人日本学術振興会(JSPS)の産学協力研究委員会の一つとして1996年7月1日に設置された。産学協力研究委員会は、学術の振興を目的とする我が国の中核的な機関である日本学術振興会が、学界と産業界の第一線の研究者等が緊密に連携するための産学協力の場として推進している事業である。

インターネット技術第163委員会は、第1期(1996年〜2000年)を宮原秀夫(元、大阪大学総長・元、情報通信研究機構理事長)を委員長として、また、第2期(2001年〜2005年)を尾家祐二(現、九州工業大学学長)を委員長として活動を満了した。日本学術振興会の支援の下、産学協力研究委員会活動を継続し、第3期(2006年〜2010年)、第4期(2011年〜2015年)、第5期(2016年〜2021年)は下條真司(現、大阪大学教授)を委員長として活動を実施した。

インターネット技術第163委員会は、その発足以来、「インターネット技術の基礎的研究およびその応用を試みる幅広い層の研究者・技術者に交流の場を提供し、わが国の立ち後れた研究・開発環境を一新すること」(設立趣意書(当時)より)を目指し、広い学際領域をカバーし、産業界と連携して広範な活動を行ってきた。

インターネット技術第163委員会の過去26年間の活動は多岐に渡るが、産学連携協力研究の促進のため、これまで例えば以下のような成果を挙げた。

  • インターネット技術第163委員会が産学協力研究委員会として設置された1996年から、年2回の研究会を毎年欠かさず開催し、産業界と学会のインターネット技術に関わる人たちがフラットに意見交換できる場として機能していた。インターネット技術全般にわたる分野横断的な研究交流を行うとともに、各分科会が専門的な分野を深く掘り下げた。また、それぞれの分科会が積極的に焦点を絞ったシンポジウム・ワークショップを多数開催し、インターネット技術に関する産学連携研究を推進した。そこで取り上げたテーマは、技術だけにとどまらず、地域インターネット、小中高のインターネット、医療インターネット、身障者のためのインターネットなど、広く社会のニーズに応えるものであり、常に技術者と社会の架け橋として機能していた。
  • 電子情報通信学会・情報処理学会と併催研究会をそれぞれ開催するなど、インターネット技術に関する研究者・技術者らの横断的な交流および研究の活性化も促進した。
  • 我が国のインターネット技術に関する国際競争力を高め、さらなるグローバル化に対応できる研究者・技術者を育成するため、インターネット技術に関する国際会議の運営を先導するとともに、特にアジア圏での人材交流を深めるためのシンポジウム開催など、活発な技術交流を行った。インターネット技術第163委員会は未来開拓事業、総務省プロジェクトなど様々なプロジェクトに関わり、人才育成にも努めてきた。

このような研究活動を行う中、インターネットを巡る情勢は急速に変化し続けてきた。インターネットは、産業・行政・教育などを含むさまざまな社会活動に浸透し、現在のような情報化社会にとってすでに不可欠なインフラとなっている。デジタル化の基盤であるインフラは、超高速・大容量化、スマートフォンによるモバイルでの利用拡大、モノがネットワークにつながるIoT (Internet of Things)化など、急速に進化しながら普及が進んでいる。ただし、我が国の通信インフラ整備は世界的に見ても進んでいるものの、未来のインターネットの基盤技術、インターネットを活用したアプリケーション技術、ネットワーク上に蓄積・流通されるデータの利活用技術などの点で、産学協力で取り組むべき課題が数多く残されている。

このような状況の中で、インターネットの基礎と応用の枠を越えた研究とその成果の産業利用への展開、本分野の若手研究者・技術者の育成、インターネット技術・歴史の伝承、国際貢献と一般社会への発信などがこれまで以上に強く求められている。インターネット技術第163委員会における産学協力研究活動は、産学の第一線の研究者・技術者が結集して活動する場としてその重要性が再認識されている。

現在、日本学術振興会は、十分な活動実績が得られている産学協力研究委員会に対しては、日本学術振興会の傘下から離れ、それぞれ独立した団体として活動を継続することを強く奨励している。そこでインターネット技術第163委員会は、今期(第5期)末をもって日本学術振興会の産学協力研究委員会としての活動を終了し、これまでの活動を新たに設立する団体(産学協力研究コンソーシアムインターネット技術研究会)で継続的に実施する。

産学協力研究コンソーシアムインターネット技術研究会では、インターネット技術第163委員会において実施してきた産学連携協力研究をさらに加速させ、以下の3点を特に強力に推進する。

  • 学界におけるシーズと産業界のニーズとを有機的に結びつける場を提供し、社会の新たなニーズや課題をいち早く発掘し、産官学が連携して取り組む場を提供する。
  • 新しいビジネスやインターネットサービスの創出を目指す。
  • 最先端技術のオープン化に繋がる活動を行い、研究開発成果を社会に還元する。

これらの目的のため、必要なテーマに則した分科会を形成し、柔軟な活動を展開する。インターネット技術の基盤技術・応用技術・実用化それぞれに体系的に取り組む予定である。インターネット技術に関する産業界および学術界の幅広い方々の参画を強く期待する。

設立に至るまでの経緯

1996年7月1日

日本学術振興会 産学協力研究委員会 インターネット技術第163委員会(ITRC) 設置

1996年7月1日〜

第1期 (委員長: 宮原秀夫 (元、大阪大学総長・元、情報通信研究機構理事長)

2001年7月1日〜

第2期 (委員長: 尾家祐二 (現、九州工業大学学長)

2006年7月1日〜

第3期 (委員長: 下條真司 (現、大阪大学教授))

2011年10月1日〜

第4期 (委員長: 下條真司 (現、大阪大学教授))

2016年10月1日〜

第5期 (委員長: 下條真司 (現、大阪大学教授))

2021年5月21日

2020年度総会にて、インターネット技術第163委員会の活動を5期をもって終了すること、これまでの活動を新団体(任意団体もしくは一般社団法人)に引き継ぐ方針で検討することを承認

2021年11月24日

2021年度臨時総会にて、インターネット技術第163委員会の事業を任意団体 (権利能力なき社団)「産学協力研究コンソーシアム インターネット技術研究会」(代表: 下條真司)に引き継ぐことを承認

2022年2月1日

産学協力研究コンソーシアム インターネット技術研究会

設立代表者 下條 真司

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