meet29 report

開催報告

2011 年 5 月 23 日 (月) 〜 5 月 24 日 (火)、第 29 回 ITRC 研究会が東京 東京工業大学にて開催されました。今回の研究会は、ITRC 総会と同時開催されており、終日 80 名程度の関係者が集いました。下條真司氏 (NICT) の基調講演や第 4 期に向けたパネルディスカッション、各分科会のセッションが行われ、終日活発な議論が行われていました。セッション会場の隣ではデモ展示が終日行われており、参加者が自由に出入りできるようになっていました。

特別セッション

  • 基調講演: 「ITRC のこれまでとこれから」 下條真司 (NICT)
  • パネル: 「第 4 期分科会構成、ITRC4 期に向けて」
  • 企画セッション: 「ITRC とテストベッドネットワーク」

セッション一覧

  • 「デモ展示プレゼンテーション」
  • 分科会セッション 1 (MINX/NVW)
  • 分科会セッション 2 (NWGN)
  • 「一般セッション」

より詳しい情報

meet29 program

ITRC meet29 プログラムの詳細です。

1 日目 (2011 年 5 月 23 日 (月))

11:00 〜 11:30

ITRC 総会 (委員のみ)

11:30 〜 12:30

ITRC 運営委員会

13:00 〜 13:45

基調講演

  1. 下條真司 (NICT)
    ITRC のこれまでとこれから
    今回の震災において、我が国の科学技術の幻想が打ち破られた感がある。常に実践を重んじてきた ITRC のこれまでの活動を振り返りながら、情報通信技術とアカデミア、産業界のあり方について議論したい。

13:45 〜 14:30

パネル: 第 4 期分科会構成、ITRC 4 期に向けて

  • チェア
    • 下條真司 (NICT)
  • パネリスト
    • 岡部 寿男 (CIS: キャンパス情報システム分科会 主査)
    • 曽根 秀昭 (INI: 情報流通基盤分科会 主査)
    • 辰巳 治之 (MINX: 医療情報ネットワーク連携分科会 主査)
    • 大崎 博之 (NWGN: 新世代ネットワーク構築のための基盤技術研究分科会 主査)
    • 中川 郁夫 (RIBB: 地域ネットワーク活動分科会 主査)
    • 渡辺 隆行 (UAI: 高齢者・障害者のインターネット利用分科会 主査)
    • 中尾 彰宏 (NVW: ネットワーク仮想化分科会 主査)

平成 8 年 7 月に設立された ITRC (インターネット技術第 163 委員会) は、まもなく 3 期を終了し、第 4 期に向けて再始動する。 ITRC の研究活動のコアとなる各分科会のこれまでの活動を総括するとともに、第 4 期に向けた ITRC の進むべき方向性を議論する。

14:45 〜 16:00

企画セッション: ITRC とテストベッドネットワーク

  • チェア
    • 秋山 豊和 (京都産業大学)
  • 講演者
    • QGPOP (岡村耕二 (九州大))
    • SINET4 (中村素典 (NII))
    • JGN-X (河合栄治 (NICT))

16:00 〜 16:45

デモ展示プレゼンテーション

  • 京大
  • アラクサラ
  • ライブドア
  • CO-CONV
  • 富士通研
  • JNPR
  • 住商情報システム
  • シスコシステムズ
  • NII
  • 大阪大

17:00 〜 18:15

分科会セッション 1 (MINX/NVW)

  • チェア: 中尾彰宏 (東大)
    • 全体概要
    • CoreLab、WiVi、Vnode 最新情報紹介
    • 無線空間エミュレーション概要
    • 今後の進め方
      • Call For Experiment Proposal
      • MINX との連携

18:30 〜 20:00

交流会

2 日目 (2011 年 5 月 24 日 (火))

9:15 〜 10:45

分科会セッション 2 (NWGN)

  • チェア: 大崎博之 (大阪大学)
  1. アトラクター重畳を用いた複数仮想網の制御手法
    小泉 佑揮 (阪大)、宮村 崇 (NTT)、荒川 伸一 (阪大)、塩本 公平 (NTT)、村田 正幸 (阪大)
    本発表では、単一の物理ネットワーク上に複数の仮想網を柔軟に収容するための仮想網制御手法を提案する。わずかな情報交換のみで複数の仮想網を柔軟に収容するために、複数の生物システムが同一の環境内で共生する様子をモデル化したアトラクター選択とアトラクター重畳に注目する。提案手法は、アトラクター重畳を応用し、複数の仮想網の間で性能に関する情報のみしか共有しないのにもかかわらず、それぞれの仮想網を独立して制御しながら、単一の物理ネットワーク上の資源を複数の仮想網間で柔軟に共有することができる。シミュレーション評価により、提案手法によって複数の仮想網を単一の物理ネットワーク上に柔軟に収容できることを示す。
  2. ソーシャルネットワークを用いた電子メールの重要度推定に関する一検討
    津川 翔 (阪大)、大崎 博之 (阪大)、今瀬 真 (阪大)
    本発表では、電子メールユーザ間のソーシャルネットワークを用いて、電子メールの重要度を推定する手法を提案する。優先的に処理すべき電子メールを判定するという、電子メールトリアージの支援が求められている。ソーシャルネットワークを用いて、送信者単位で電子メールの重要度を推定する TrustMail が提案されている。TrustMail は直接知らない人からの電子メールの重要度を推定できるという利点がある一方、同一の送信者からのメールをすべて同じ重要度と判定する。そこで本発表では、ソーシャルネットワークと、電子メールの送信者および受信者の情報を用いて、電子メールの重要度を推定する手法 EMIRT を提案する。EMIRT はメール単位の重要度推定を実現するために、メールの受信者から送信者の紐帯の強さに加えて、メールの受信者から (同報メールにおける) 他の受信者の紐帯の強さを用いて電子メールの重要度を推定する。本発表ではさらに、25 万通を超える大規模電子メールコーパスを用いた実験の結果を紹介し、EMIRT の有効性を示す。
  3. オーバレイネットワークの QoS 制御を可能とする ISP 間仮想バックボーン構成基盤に関する研究
    大溝 拓也 (東工大)
    現在、低遅延、広帯域など様々な QoS (Quality of Service) 要求を持つアプリケーションがインターネット上で動作している。このような様々な要求を満足するためには、要求に関わらず同一の制御を行うのではなく、遅延、帯域の情報などを利用した柔軟な QoS 制御が必要である。そこで筆者は、このような問題を解決し、アプリケーション単位の QoS 制御を基盤から提供する手法として、仮想バックボーン方式を提案する。仮想バックボーン方式では、アプリケーションの QoS 要求を集約、調停し、遅延などの情報を元に柔軟な経路制御を行うために、ISP の管理下にあるオーバレイルータと呼ばれるノードを用いる。オーバレイルータは、それらの間でアプリケーションごとのオーバレイネットワークである仮想バックボーンを QoS 要求に従い構成し、構成した仮想バックボーンに従いエンドノード間の経路制御を行う。本発表では、提案手法である仮想バックボーン方式の概念設計を述べた上で、実装したプロトタイプから行った実現可能性と基本性能の調査について述べる。

11:00 〜 12:30

一般セッション

  1. 広域 OpenFlow ネットワークの運用管理と映像伝送実証実験
    金海好彦 (NEC)
  2. エンドツーエンド NAT と ICMP
    太田昌孝 (東工大)
  3. Wireless propagation emulator for virtual wireless testbed
    真野浩 (山梨大)

12:30 〜 12:40

クロージング

問い合せ先

PC

  • 大崎博之 (大阪大学)
  • 中内清秀 (NICT)
  • 藤野雄一 (はこだて未来大学)

LA

  • 太田昌孝 (東京工業大学)
  • 地引昌弘 (NICT)

その他、本研究会に関しての問い合せは、質問フォームで受け付けています。

meet29 agenda

日程

  • 2011 年 5 月 23 日 (月) 〜 5 月 24 日 (火)

会場

主催

テーマ

  • インターネット全般

参加費

  • 今回参加費は無料となっております。

デモ展示について

デモ展示をご希望の方は、ITRC meet29 のデモ展示要項を参照し、下記問い合わせ先にご連絡ください。デモ展示費用は以下のとおりです。

  • 展示協賛金: ¥30,000 / 1 件
  • 但し、以下のいずれかに該当するものは、展示協賛金を全額免除いたします。

    • ITRC 委員および協力会会員企業
    • 大学及び公的研究機関
    • ITRC の活動に賛同し、協力会への入会を検討する企業で、初めて参加する企業
    • 本研究会での発表に関連したデモを実施する企業

プログラム

詳細は ITRC meet29 プログラムのページをご参照ください。

1 日目 (2011 年 5 月 23 日 (月))

  • 11:00 〜 11:30 総会
  • 11:30 〜 12:30 運営委員会
  • 13:00 〜 13:45 基調講演 下條委員長 「第 3 期の総括 & ITRC 4 期へのビジョン」
  • 13:45 〜 14:30 パネル 「第 4 期分科会構成、ITRC 4 期に向けて」
  • 14:45 〜 16:15 [23-PM1]
  • 16:30 〜 18:00 [23-PM2]
  • 18:00 〜 20:00 交流会

2 日目 (2011 年 5 月 24 日 (火))

  • 9:15 〜 10:45 [24-AM1]
  • 11:00 〜 12:30 [24-AM2]

交流会

  • 5 月 23 日 (月) 18:00 よりレセプションを行います。
  • 料金は当日受付にてお支払いください。

問合せ先

PC

  • 大崎博之 (大阪大学)
  • 中内清秀 (NICT)
  • 藤野雄一 (はこだて未来大学)

LA

  • 太田昌孝 (東京工業大学)
  • 地引昌弘 (NICT)

その他、本研究会に関しての問い合せは、質問フォームで受け付けています。

meet29 demonstration

ITRC meet29 のデモ展示要項です。

日時

  • 1 日目 (2011 年 5 月 23 (月)) 13:00 〜 18:00
  • 2 日目 (2011 年 5 月 24 (火)) 9:00 〜 12:30

場所

  • 東工大蔵前会館 ロイアルブルーホール
  • http://www.somuka.titech.ac.jp/ttf/floor/index.html

研究会開催の 1 日目と 2 日目に開催期間中、デモ展示場 (会場後方) を用意いたします。

展示費用

  • 展示協賛金: ¥30,000 / 1 件

但し、以下のいずれかに該当するものは、展示協賛金を免除いたします。

  • ITRC 委員および協力会会員企業
  • 大学及び公的研究機関
  • ITRC の活動に賛同し、協力会への入会を検討する企業で、初めて参加する企業
  • 本研究会での発表に関連したデモを実施する企業

概要説明

  • 5 月 23 日 (月) 14:00 からデモ展示紹介セッションを用意しています。持ち時間は 1 件あたり 5 分程度を予定していますが、デモ件数によって調整させていただきます。休憩時間などは各ブースにて、説明をお願い致します。

設営時間

  • 5 月 23 日 (月) 12:30 以降

撤収時間

  • 5 月 24 日 (火) 13:00 までに撤収完了でお願いします。

申込み

以下のフォーマットでご記入の上、itrc-demo [at] ispl.jp 宛にお送りください。申し込み締め切りは 5 月 18 日 (水) 17:00 です。荷物の運送方法などにつきましては、別途ご連絡いたします。

  • 責任者情報
    • 氏名
    • 所属
    • 電話番号
    • E-mailアドレス
  • デモ対応要員全員の氏名・E-mail アドレス
  • 展示方法 (ポスター / 機器持込み / ポスターおよび機器持込み)
  • 持込機器 (おおよその大きさ、電源容量)
  • インターネット接続の要否 (要 / 否)
  • ローカルで無線 LAN 等の無線機器の使用 (有 / 無)
  • 希望するパネル数 (W117 x H172)
  • 希望する机の個数 (W180 x D60 x H70)
  • (有料デモ出展の場合)
    • 請求書送付の要否 (要 / 否)
    • 請求書が必要な場合の送付先

meet28 report

開催報告

2010 年 11 月 24 日 (水) 〜 11 月 26 日 (金)、第 28 回 ITRC 研究会が山梨県 清里 清泉寮 新館 にて開催されました。今回の研究会は、電子情報通信学会 通信ソサイエティ インターネットアーキテクチャ研究会 (IA) との共催で行われ、終日 90 名程度の関係者が集いました。また、会場内でデモ展示が行われており、参加者でにぎわっていました。

特別セッション

  • IEEE802 国際標準化参戦 BOF
  • 文字コード問題
  • 学生セッション

セッション一覧

  • テクニカルセッション「デモ展示説明」
  • 医療情報ネットワーク連携分科会
  • 新世代ネットワーク構築のための基盤技術研究分科会
  • 地域ネットワーク活動分科会
  • キャンパス情報システム分科会/情報流通分科会/ネットワーク仮想化分科会

より詳しい情報

meet28 program

ITRC meet28 プログラムの詳細です。

1 日目 (2010 年 11 月 24 日 (水))

14:10 〜 14:20

オープニング

14:20 〜 16:00

[IA 研究会共催セッション] 学生セッション 1

詳細は、共催研究会のページをご確認ください。

16:10 〜 17:10

[セッション] 展示デモ紹介セッション

デモ展示出展社リスト

  • アラクサラネットワークス株式会社
    • 安定度の高いフォールトトレラントネットワーク構築に最適なコンパクト・ギガビットレイヤ 2 ファンレススイッチ AX2530S
  • 株式会社シー・オー・コンヴ
    • 革新的 ネットブートシステム【CO-Store】
  • 日本電気株式会社
    • オープンフロースイッチ デモ展示
  • 富士通株式会社
    • スモールスタートが可能なプライベートクラウド
  • 京都大学・学術情報メディアセンター・情報通信研究機構 高度通信・放送研究開発委託研究 / 情報通信・エネルギー統合技術の研究開発
    • オンデマンド型家庭内電力ネットワークのための電力ルーティングスイッチ

17:20 〜 18:40

[IA 研究会共催セッション] 学生セッション 2

詳細は、共催研究会のページをご確認ください。

18:40 〜 20:40

夕食

20:40 〜 22:40

[セッション] IEEE802 国際標準化参戦 BOF

チェア: 真野 浩
我が国の国際競争力の向上のため国際標準化活動の推進が広く求められています。近年、国際標準の主体は、従来のデジュール型からフォーラム型に移行しつつあります。フォーラム型標準は、そのフォーラム独自のルールにより運営され、各々のポリシーや運営ルールの特長を知る事が標準化参加の重要なスタート課題となります。本セッションでは、現在のインターネットにおいて、重要なエレメントとなった IEEE802.11 無線 LAN の標準化の仕組や実態を、実際に標準化作業に深く関わる関係者から解説します。本セッションは、標準化における産学の役割分担やその協調の在り方を議論し、広く若い研究者、エンジニアの国際標準への参加を促す事を目的として開催する BOF です。

  1. Tutorial of IEEE802 Standardization
    真野 浩 (IEEE802.11 FIA-SG Chair)
  2. IEEE802.11 標準までの流れ
    森岡 仁志 (ルート株式会社)

2 日目 (2010 年 11 月 25 日 (木))

9:00 〜 11:00

[セッション] MINX 分科会

  1. 医療専用ネットワークの可能性 -形而上学的諸問題の解明-
    辰巳治之 (札幌医科大学)
  2. 北海道南西地域に於ける周産期医療支援ネットワーク -現状と展望-
    新見隆彦、辰巳治之 (札幌医科大学)
  3. スケーラブル CODEC の医療応用事例
    藤野雄一 (公立はこだて未来大学)、小山耕太郎 (岩手医科大学)、藤井寛、早瀬和也 (NTT サイバーソリューション研究所)、大平隆 (NTT-岩手)
  4. 医療におけるベイジアンネットワーク
    Takashi Uozumi, L. Linho, J. Wakatsuki, K. Fukuta (Muroran Institute of Technology), T. Shinmi, and H. Tatsumi (Sapporo Medical University)
  5. 顔パックの実験データを使用したグラフィカルモデリング
    若槻淳一朗、齋藤隆晃、Ali Abrishamian、坂本牧葉、魚住超 (室蘭工業大学)
  6. オントロジーを用いた健康サポートの薬膳料理検索の Semantic Web サービスに関する研究
    李林甫、魚住超 (室蘭工業大学)

11:00 〜 12:00

[セッション] 展示デモ紹介セッション

デモ展示出展社リスト

  • アライドテレシス株式会社 プロジェクト営業本部
    • バーチャルワイヤレスネットワークとは −エンタープライズ向け新製品のご紹介−
  • 独立行政法人 情報通信研究機構
    • 階層的な自動ロケータ番号割当プロトコル HANA
  • 株式会社トランス・ニュー・テクノロジー
    • FPGA による高速パケット処理のためのネットワークプロセッサ IP と開発キット NetPiece FPGA
    • RADVISION ビデオ会議システム SCOPIA MCU シリーズ

12:00 〜 13:00

展示デモ見学/昼食/ITRC 運営委員会

13:00 〜 15:00

[セッション A] NWGN 分科会

チェア: 大崎 博之

  1. コグニティブ無線ネットワークにおけるルーティングを考慮したトポロジ制御
    藤田 範人、植田 啓文、柳生 智彦 (NEC)
    コグニティブ無線ネットワークは、各ノードに割り当てる通信周波数 (チャネル) を自由に変えられることが特徴であり、各ノードに割り当てたチャネルに応じて異なるトポロジが構成される。従来、ルーティングはチャネル割り当てによるトポロジ決定後に行われていたため、ルーティングの結果、アクティブなリンクを作るためには使用されないチャネルが発生し、アクティブなリンクのキャパシティが小さくなるという問題があった。筆者らは、経路エントリを参照してこのような使用されないチャネルを検出し解放することにより、トポロジを最適化する手法を提案する。シミュレーション評価により、提案方式がネットワークのリンクキャパシティおよびトラフィック収容度を向上できることを示す。
  2. 疎密度モバイルアドホック網における単純平均法に基づく相対的時刻同期
    笹部 昌弘、滝根 哲哉 (阪大)
    疎密度モバイルアドホック網では各端末は基本的に孤立した状態にあり、他の端末との通信頻度は非常に限られている。このような環境では、大域的な時刻情報をすべてのノードに配布することは難しい。そこで我々は、完全分散型の相対的時刻同期手法を提案する。提案手法では、2 ノードが遭遇した際、互いの時刻の平均にそれぞれの時刻を調整する。端末数、遭遇頻度と達成可能な同期精度、収束時間との関係を解析とシミュレーションにより明らかにする。
  3. ブロックデバイスレイヤにおける IP-SAN スループット最大化機構の性能評価
    西島 孝通、大崎 博之、今瀬 真 (阪大)
    我々はこれまでに広域・広帯域ネットワークにおける IP-SAN プロトコルのスループットを最大化する機構 BDL-APT (Block Device Layer with Automatic Parallelism Tuning) を提案した。筆者らは、さまざまな IP-SAN プロトコル (iSCSI、NBD、GNBD) に対して BDL-APT を適用した時の有効性を評価した。BDL-APT を Linux カーネルに含まれるソフトウェア RAID の一実装である MD (Multiple Device) ドライバに実装し、さまざまな条件下で BDL-APT の有効性を評価した。実験の結果、IP-SAN プロトコルによらず、BDL-APT が広域・広帯域ネットワークにおいて IP-SAN プロトコルのスループットを最大化できることを確認した。

13:00 〜 15:00

[セッション B] 文字コード問題

チェア: 太田 昌孝

  1. 量子化と包摂
    太田昌孝 (東工大)
    文字コードとは、アナログ情報である図形をデジタルにコード化するものであり、これまであいまいな定義しか与えられていなかった包摂という現象は、AD 変換における量子化誤差として説明できる。しかし、量子化誤差は DA 変換においては発生せず、入出力は非対称であるつまり、入力において多様な字体が一つのコードになっても、出力においては代表字体を出力すべきであり、多様な字体の出力を許すコードは文字コードではない。
  2. ユニコードで不便な事例の紹介
    太田昌孝 (東工大)、中野博樹 (トランスニューテクノロジー)

15:00 〜 16:00

展示デモ見学/休憩

16:00 〜 18:00

[セッション] CIS/INI 分科会・ネットワーク仮想化 WG 合同セッション

本セッションは、国内外で広く研究の進んでいる新世代ネットワークの実証基盤の構築手法として、仮想化ネットワーク技術を用いた広域実証実験を産学官で推進することを目的として設置された (予定) 仮想化ネットワーク分科会のキックオフ会合です。当分科会の主なねらいは、最近注目を集めるネットワーク仮想化技術について、産学連携により下記のような取り組みを加速することで、以下の発表、討議を予定しています。また、本セッションは、ネットワーク仮想化の実用で期待されるキャンパス情報システム、情報流通基盤の視点から、CIS/INI との 3 分科会合同のセッションを行ないます。

  1. ネットワーク仮想化 WG (15分)
    真野 浩 (ルート株式会社)、中尾 彰宏(東京大学/NICT)
    ネットワークか仮想化分科会の設置目的、今後の運営体制、チャータの確認、説明を行ないます。
  2. 広域ネットワーク仮想化実証実験に向けて (有線・無線 LAN 統合環境) (20分)
    中尾 彰宏 (東京大学/NICT)
  3. ワイヤレスから見たネットワーク仮想化 (15分)
    中内 清秀 (NICT)
  4. eduroam における認証情報を利用した端末 IP アドレスの最適化 (20分)
    宮本善則、山崎康広、後藤英昭、曽根秀昭 (東北大学)
    802.1x 認証を用いたローミングシステムである eduroam では、利用者は訪問先の IP アドレスを利用するため、ホーム機関へのリソースアクセスや利用者のトラッキングが難しい。そこで、認証情報を利用して端末の IP アドレスを最適化する手法について検討したので、本発表ではその結果を述べる。
  5. 商用公衆無線インターネットサービスのキャンパスネットワークへの展開 (15分)
    岡部寿男、古村隆明 (京都大学)
    京都大学では、(株) ライブドアと連携し、京都大学内に既設の無線 LAN基地局で、同社の公衆無線 LAN サービスである「Livedoor Wireless」が使えるようにする接続実証実験を行っている。ここではそのために必要となる学内 VLAN のアクセス網としての利用としての技術的および制度的な課題とその解決について紹介する。
  6. 大学間無線アクセスローミングと商用無線LANインフラの連携 (15分)
    曽根秀昭、後藤英昭 (東北大学)
    大学間無線アクセスローミングの eduroam は、ライブドアと共同で商用無線 LAN インフラを利用した連携の試みを行っている。その実証実験の方式と状況について報告する。 (ショートレポート)
  7. ネットワーク仮想化広域実証実験の進め方について (30分)
    全体協議
    ネットワーク仮想化分科会として、今後進めるネットワーク仮想化広域実証実験の参加方法、スケジュール、運用ポリシーについて、参加者による協議を行ないます。

18:00 〜 20:00

レセプション

20:00 〜 22:00

[セッション] RIBB 分科会

  1. 「統合ツーリストサポートシステム」の開発と実証
    高山尚文 (シンク情報システム)
  2. CMS の一モジュールとして作成したバスマップ作成システム BusMap2 とその実践例としての山梨バスコンシェルジュ
    豊木博泰 (山梨大学大学院医学工学総合研究部)

3 日目 (2010 年 11 月 26 日 (金))

8:30 〜 11:00

[セッション] CIS/INI 分科会 – 学術クラウド –

  1. 学認の現状と参加方法について
    秋山 豊和 (京都産業大学)、山地 一禎、中村 素典 (国立情報学研究所)
    本発表では、学術認証フェデレーション「学認」が提供する学術研究機関のための分散型認証基盤について、参加のメリット、技術的な仕組みについて紹介する。また、すでにフェデレーションに参加している大学および利用可能なサービスについて紹介し、新たな機関が「学認」に参加するための参加方法についても紹介する。
  2. OpenFlow ネットワークによる Software Defined Network の実現
    加納敏行、下西英之 (日本電気 (株) システムプラットフォーム研究所)
    次世代インタネットに向けた研究開発加速のためのテストベッド GENI @ 米国、OFELIA @ 欧州の現状と、そこで採用を予定されている OpenFlow ネットワーク技術についての最新動向を紹介すると同時に学術クラウド実現に向けた課題について提案する。
  3. フロー制御機構を用いた柔軟なキャンパス VLAN 構築手法
    山崎康広、宮本善則、後藤英昭、曽根秀昭 (東北大学 サイバーサイエンスセンター)
    従来、VLAN を構築する際には 802.1Q を使って構築していたが、この場合、各スイッチへの設定が面倒であった。本発表では、フロー制御機構を用いることで、キャンパス VLAN を構築する手法について報告する。この手法により、従来と比較して柔軟で管理が容易な VLAN 構築が可能となる。
  4. プライベートクラウド構築ソフトウェア Eucalyptus のご紹介
    志田隆弘 (NTT データ先端技術株式会社)
    本発表では、米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校で開発が開始し、現在 Eucalyptus.inc によって維持管理されているオープンソースのプライベートクラウド環境構築ソフトウェアである Eucalyptus についてご紹介いたします。NTT データ先端技術株式会社の Eucalyptus への取り組みや、実際の開発現場に適用した経験から、プライベートクラウドの今後について説明いたします。
  5. 東海アカデミッククラウド共同利用共同研究拠点の現状と課題
    梶田将司 (名古屋大学情報連携統括本部情報戦略室)、松尾啓志 (名古屋工業大学情報基盤センター)
    東海アカデミッククラウド共同利用・共同研究拠点では、各大学において今後必要とされる大規模仮想化計算機リソースの構築・運用・利用管理のための技術基盤の研究開発を行うとともに、パイロットシステムを用いて実験運用を行うことにより、教育研究支援のためのクラウド環境 (アカデミッククラウド環境) の研究開発・運用及び人材育成を東海地区の国立大学情報基盤センターが連携することを目指している。本報告では、東海アカデミッククラウド共同利用・共同研究拠点の現状と課題について述べる。

11:00 〜 11:30

クロージング

問い合せ先

PC

  • 古村隆明 (京都大学)
  • 中野博樹 (トランスニューテクノロジー)

LA

  • 真野浩 (ルート)
  • 戸倉一 (ネットワンシステムズ)

その他、本研究会に関しての問い合せは、質問フォームで受け付けています。

meet28 agenda

日程

  • 2010 年 11 月 24 日 (水) 〜 11 月 26 日 (金)

会場

  • 研究会
  • 宿泊施設
    • 研究会会場と同じです。

主催

共催

テーマ

  • インターネット全般

参加費

研究会の参加費は下記のとおりとなっております。

  • 参加費: ¥10,000, 宿泊費: ¥10,000 / 1 泊 (夕食・朝食込)
    • 対象: ITRC 委員及び協力企業の方, 学術関係者, 共催団体関係者, ITRC 研究会デモ展示関係者, ITRC 研究会発表者
  • 参加費: ¥30,000, 宿泊費: ¥10,000 / 1 泊 (夕食・朝食込)
    • 対象: 上記対象者以外の方で ITRC に参加を検討中の方

補足事項

  • 11 月 24 日 (水) の IA 研究会との共催学生セッションにつきましては参加費無料となっております。11 月 24 日 (水) の夕食以降のセッションにもご参加の場合は参加費をいただきます。1 日だけご参加の場合でも参加費の減額等はありません。
  • 学生の宿泊費は半額となります。
  • 宿泊は 4 〜 5 人部屋となります。同室を希望される方は、参加申込の際に備考欄にご記入ください。
  • シングル、ツインなどご希望の方は、空き状況や追加料金等を事前に PC/LA へ確認してください。
  • 前泊、後泊をご希望の方は、直接ホテルへ連絡してください。その際に ITRC 研究会参加者とお伝えください。
  • 現在、ITRC 協力企業に入会を検討されている方は、参加申込みの際に備考欄にご記入ください。
  • デモ展示組織からは、1 人分の参加費をお支払いいただきます。展示の手伝いについては、2 人までは ITRC 参加費不要、3 人目以降は ITRC 参加費をお支払いいただきます。
    • デモ展示期間: 2010 年 11 月 24 日 (水) 夕方〜 11 月 25 日 (木) 夕方
    • デモ紹介: 2010 年 11 月 24 日 (水) 夕方

参加申込み

参加申込みは終了しました。

  • 申込締切: 請求書の必要な方は 2010 年 10 月 29 日 (金)、不要な方は 11 月 12 日 (金)
  • 振込締切: 2010 年 11 月 19 日 (金)

定員 (100 名) を越えますと宿泊をお受けできないこともございますので、お早めにお申し込みをお願い致します。ITRC セッションでの発表予定者も申し込みが必要です。お忘れにならないよう御注意下さい。

デモ展示について

デモ展示をご希望の方は、ITRC meet28 のデモ展示要項を参照し、下記問い合わせ先にご連絡ください。デモ展示費用は以下のとおりです。

  • 展示協賛金: ¥30,000 / 1 社
  • 参加費用: 出展社あたり、一人分 ¥10,000 で、3 名まで参加可能
  • 宿泊費用: ¥10,000 / 泊 / 1 人
  • 但し、以下のいずれかに該当するものは、展示協賛金を全額免除いたします。

    • ITRC 委員および協力会会員企業
    • 大学及び公的研究機関
    • ITRC の活動に賛同し、協力会への入会を検討する企業で、初めて参加する企業
    • 本研究会での発表に関連したデモを実施する企業

IA 研究会主催のセッションについて

  • 11 月 24 日 (水) 午後のセッションは IA 研究会との共催となっておりますので、参加費は無料です。
  • 11 月 24 日 (水) の夕食以降のセッションにもご参加の場合は参加費をいただきます。
  • 懇親会、宿泊をご希望の方は、ITRC の参加申込をしていただく必要があります。

プログラム

詳細は ITRC meet28 プログラムのページをご参照ください。

1 日目 (2010 年 11 月 24 日 (水))

  • 14:10 〜 14:20 オープニング
  • 14:20 〜 16:00 IA 研究会共催 学生セッション 1
  • 16:10 〜 17:10 展示デモ紹介セッション
  • 17:20 〜 18:40 IA 研究会共催 学生セッション 2
  • 18:40 〜 20:40 夕食
  • 20:40 〜 22:40 セッション「IEEE802 国際標準化参戦 BOF」

2 日目 (2010 年 11 月 25 日 (木))

  • 9:00 〜 11:00 セッション「MINX 分科会」
  • 11:00 〜 13:00 展示デモ見学/昼食/ITRC 運営委員会
  • 13:00 〜 15:00 セッション「NWGN 分科会」/セッション「文字コード問題」
  • 15:00 〜 16:00 展示デモ見学/休憩
  • 16:00 〜 18:00 セッション「CIS/INI 分科会-一般-」/セッション「ネットワーク仮想化 WG」
  • 18:00 〜 20:00 レセプション
  • 20:00 〜 22:00 セッション「RIBB 分科会」

3 日目 (2010 年 11 月 26 日 (金))

  • 8:30 〜 11:00 セッション「CIS/INI 分科会-学術クラウド-」
  • 11:00 〜 11:30 クロージング

懇親会

  • 懇親会は 11 月 25 日 (木) となっております。
  • 宿泊なしで懇親会のみの参加をご希望の場合でも、宿泊料金と同額 (¥10,000) いただきますので、宿泊をご検討ください。

問合せ先

PC

  • 古村隆明 (京都大学)
  • 中野博樹 (トランスニューテクノロジー)

LA

  • 真野浩 (ルート)
  • 戸倉一 (ネットワンシステムズ)

その他、本研究会に関しての問い合せは、質問フォームで受け付けています。

meet27 report

開催報告

2010 年 5 月 20 日 (木) 〜 5 月 21 日 (金)、第 25 回 ITRC 研究会が東京 NICT にて開催されました。今回の研究会は、ITRC 総会と同時開催されており、終日 80 名程度の関係者が集いました。桐葉佳明氏 (NICT) と Prof. DaeYoung KIM (Chungnam National University) の招待講演や、各分科会のセッションが行われ、終日活発な議論が行われていました。セッション会場の隣ではデモ展示が終日行われており、参加者が自由に出入りできるようになっていました。

特別セッション

  • 招待講演: 「新世代ネットワーク戦略プロジェクト」 桐葉佳明 (NICT)
  • 講演: 「JGN-X」 下條真司 (NICT/ITRC 委員長)
  • 招待講演: 「Naming and Addressing of Future Internet」 DaeYoung KIM (Chungnam National University)

NICT セッション

  • 発表: 「AKARI プロジェクト (新世代ネットワークアーキテクチャ設計プロジェクト)」 原井洋明 (NICT)
  • 発表: 「光パス・パケット統合ノードプロトタイプ紹介」 藤川賢治 (NICT)

セッション一覧

  • テクニカルセッション 「デモ展示説明」
  • 学生セッション
  • 医療情報ネットワーク連携分科会
  • 新世代ネットワーク構築のための基盤技術研究分科会
  • キャンパス情報システム分科会

より詳しい情報

meet27 program

ITRC meet27 プログラムの詳細です。

1 日目 (2010 年 5 月 20 日 (木))

12:00 〜 13:00

ITRC 運営委員会

13:00 〜 13:40

[Room A] ITRC 総会 (委員のみ)

13:00 〜 13:40

[Room B] デモ展示

13:40 〜 13:50

オープニング

13:50 〜 14:30

[Room A] NICT 新世代ネットワーク戦略プロジェクト

  • 挨拶
    • NICT 宮原理事長
  • 講演
    1. 桐葉佳明 (NICT 総合企画部 新世代ネットワーク研究開発戦略推進室 専門研究員)
    2. 下條真司 (NICT 連携研究部門 統括センター長)

13:50 〜 14:30

[Room B] デモ展示

デモ展示

14:40 〜 15:10

[Room A] デモ展示内容紹介

デモ展示内容紹介

  • [Room B] にて行われているデモ展示について、各展示企業から紹介

14:40 〜 15:10

[Room B] デモ展示

デモ展示

15:20 〜 16:00

[Room A] 招待講演

  1. Naming and Addressing of Future Internet
    Prof. DaeYoung KIM (Chungnam National University)

15:20 〜 16:00

[Room B] デモ展示

デモ展示

16:10 〜 16:50

[Room A] NICT セッション

  1. AKARI プロジェクト (新世代ネットワークアーキテクチャ設計プロジェクト)
    原井洋明 (NICT 新世代ネットワーク研究センター ネットワークアーキテクチャグループリーダー)
  2. 光パス・パケット統合ノードプロトタイプ紹介
    藤川賢治 (NICT 新世代ネットワーク研究センター ネットワークアーキテクチャグループ 専攻研究員)

16:10 〜 16:50

[Room B] デモ展示

デモ展示

17:00 〜 18:40

[Room A] 分科会セッション 担当: NWGN 分科会

Juniper Networks の 100GE への取り組み
チェア: 笹部 昌弘 (大阪大学)

  1. Juniper Networks の 100GE への取り組み
    森 工 (Juniper Networks)
    インターネットトラヒックの急増に伴い、インターネットのバックボーンでは設備増強を迫られている。既存の POS-OC 192c もしくは 10G イーサネットを中心としたネットワークでは、物理リンクあたりの帯域が不足しており、更なる帯域の拡張が求められている。次世代のネットワークインフラとして期待されている IEE802.3ba 40/100Gbps イーサネットは 2009 年度に標準化策定が終了し、いよいよ実装準備に入った 100Gbps イーサネットについて説明する。
    100Gbps イーサネット、コアルータ

遅延/分断耐性ネットワーク DTN (Delay/Disruption/Disconnect TolerantNetwork) 技術
チェア: 笹部 昌弘 (大阪大学)
本セッションでは、新世代ネットワーク構築のための基盤技術の一つである DTN (Delay/Disruption/Disconnect Tolerant Network) 技術に焦点を当てる。DTN ではエンド端末間で安定した通信路の確保が困難であるため、ブロードキャスト型の情報転送が用いられることが多く、その結果、ネットワークにかかる負荷が大きくなるのが問題である。本セッションでは、この問題に取り組んだ最新の技術を紹介するとともに、今後の方向性について議論する。

  1. DTN における効率的な情報共有のためのメッセージ数削減方式
    植田 啓文、藤田 範人 (日本電気)
    Delay/Disruption Tolerant Network (DTN) 上の情報共有方法として、ノード間で保有情報の差分を確認し、お互いの未保有情報を取得する Epidemic 法が提案されている。Epidemic 法はネットワーク内の全ノードを対象に全ての情報を共有するためロバストである反面、ノード密度の増加に伴い制御メッセージ数も増加し帯域負荷が高くなる。その結果、スケーラビリティに問題が生じる。そこで、本研究ではスケーラビリティ改善のために、隣接ノードの保有情報を推測し送信する必要がある制御メッセージかどうかを判断することで制御メッセージ数を削減することを特徴とする改善手法を提案し、シミュレーション評価によりその有効性を示す。
    Delay Tolerant Network、情報共有、Epidemic routing、メッセージ数削減
  2. 疎密度モバイルアドホック網におけるバッファ管理方式
    木村 共孝、滝根 哲哉 (大阪大学)
    本研究では、蓄積運搬転送パラダイムに基づく疎密度モバイルアドホック網において、バッファ管理方式がシステムの性能に与える影響を考察する。端末の密度が極端に疎な状況では、従来のアドホック通信網で用いられてきたルーチング方式は機能しない。このような状況下においても通信を可能にする、端末の移動を利用した蓄積運搬転送パラダイムが提唱されている。このパラダイムに基づくルーチング方式では、バッファ容量が十分でない場合、バッファ管理方式によりシステムの挙動が大きく異なる。本研究では、複数のバッファ管理方式を感染型ルーチング方式と組み合わせてシミュレーション実験を行い、バッファ容量が十分でない場合の挙動の差がどのような要因によって生じるかを明らかにする。
    Delay Tolerant Network、疎密度モバイルアドホック網、バッファ管理方式
  3. 車両アドホックネットワークのための指向性アンテナを用いたブロードキャスト通信方式の特性分析
    栗林 晋平、作元 雄輔、長谷川 聡、大崎 博之、今瀬 真 (大阪大学)
    近年、高度道路交通システム構築の一環として、車両アドホックネットワークによる、不特定多数の車両への情報配信が望まれている。車両アドホックネットワークでは、各車両が移動するため、無線通信可能範囲内に常に車両が存在するとは限らず、通信が断続するという状況が頻繁に発生する。通信が断続する状況においても通信を継続させるためには、遅延耐性を有する通信方式を用いる必要がある。我々はこれまで、車両アドホックネットワークのための遅延耐性を有するブロードキャスト通信方式として、DSCF (DirectionalStore-Carry-Forward) を提案した。DSCF は、空間利用効率の向上のため、指向性アンテナを利用している。単純な一次元道路における DSCF の有効性は示されているが、より現実的な道路環境における DSCF の有効性はこれまで明らかにされていない。そこで本報告では、シミュレーション実験により、格子状の二次元道路における DSCF の特性 (到達性・迅速性・均一性・効率性) を調査する。その結果、特に、車両密度が極端に低い状況でなければ、DSCF により全方向へ迅速なブロードキャスト通信を行えることが分かった。
    車両アドホックネットワーク、遅延耐性ネットワーク、指向性アンテナ、ブロードキャスト通信

17:00 〜 18:40

[Room B] デモ展示

デモ展示

2 日目 (2010 年 5 月 21 日 (金))

9:45 〜 10:45

[Room A] 学生セッション

  1. HTML の構造をもっと利用してみる研究について
    臼井 義比古、西田 泰伸 (富山県立大学)
    HTML は一応文章の構造を記述するための言語規約であるが、そもそも昔はあまりその事は認識されていなかったし、最近の教科書や Web サイトでも書いてはあっても取りあえず感がある。しかし文章の構造を記述するというシンプルな考え方はいろいろな美味しさがあるのではないかと考え幾つかの研究を始めてみた。今回はこれらの研究について紹介し議論をしたい。※発表終了後は、デモ展示をご覧ください。

9:45 〜 10:45

[Room B] デモ展示

デモ展示

10:45 〜 12:15

[Room A] 分科会セッション 担当: CIS 分科会

  1. 学術認証フェデレーション Gakunin の本格運用
    山地一禎、中村素典、片岡俊幸、西村健、Tananun Orawiwattanakul、曽根原登 (国立情報学研究所)、岡部寿男 (京都大学)
    国立情報学研究所では、全国の大学等と連携して、学術認証フェデレーション「学認: Gakunin」の構築・運用を進めている。フェデレーションでは、大学や研究機関で運用される ID プロバイダー (IdP) を利用して、ウェブサービス (SP) へのシングルサインオン (SSO) が実現される。Gakunin では、主として、米国の Internet2 が開発している SAML 準拠のミドルウエア Shibboleth を利用して、フェデレーションの構成要素となる IdP や SP が運用されている。2008 年度に実証実験を開始した後に昨年度の試行運用を経て、本年度は本格的な実運用へと移行することに成功した。本発表では、Gakunin の現状ならびに参加方法について述べる。
  2. 学術認証フェデレーションを活用するサービスの展開
    中村素典、山地一禎、片岡俊幸、西村健、庄司勇木 (国立情報学研究所)、古村隆明、岡部寿男 (京都大学)
  3. 京都大学での IC 身分証導入から得られた知見
    古村隆明、永井靖浩、上條春穀 (京都大学)
    京都大学では 2010 年 4 月に学生証や職員証等の身分証を IC 身分証へ切り換えた。学内の様々な部局の連携のもと、約 3 万枚の IC 身分証を発行し、新入生や新規採用教職員への配布だけでなく、在校生や既存の教職員の身分証も IC 身分証に交換した。現在、入退館管理やコンピュータシステム利用時の認証等での利用推進を行なっている。本発表では、IC カードの機能の紹介、IC カード導入に向けての準備や IC カードを実際に導入する際に得られた知見を紹介する。
  4. IEEE802.11 Fast Initial Authentication の紹介
    真野浩、森岡仁志 (ルート)、中野博樹 (TNT)、藤川賢治 (NICT)
    2010 年 3 月中旬、米国フロリダ州オーランドにて IEEE 802 Wireless PlenarySession が開催され、IEEE802.11Working Group が開かれました。発表者らが提唱している無線 LAN の高速認証に関する動議提案が採択され、新たな標準策定に向けて、IEEE802.11 Fast Initial Authentication StudyGroup が設置される事となりました。この標準は、急速に普及する携帯端末などで無線 LAN を利用する時に、従来のように立ち止まることなく、高速に認証、接続が可能となります。キャンパスでの携帯端末の新しい利用シーンを創出するものとして、今回その概要を CIS 分科会で紹介します。
  5. SSO 対応 Opengate の運用報告
    渡辺健次、大谷誠、江藤博文、只木進一、渡辺義明 (佐賀大学)
    佐賀大学では、ネットワーク利用者認証システム Opengate を開発・運用している。平成 22 年 3 月の新キャンパスネットワーク稼働と同時に、SSO 対応の SSO-Opengate の運用を開始した。SSO-Opengate は VMWare ESX 上で動作しており、CISCO Nexus システムと合わせて運用している。既に新学期が始まって 2 ヶ月経過したが、全く問題は起きていない。今回は SSO-Opengate の運用状況について報告する。

10:45 〜 12:15

[Room B] デモ展示

デモ展示

12:15 〜 13:45

昼食

12:15 〜 13:45

[Room B] デモ展示

13:45 〜 15:15

[Room A] 分科会セッション 担当: MINX 分科会

  1. (仮) 個人化医療への医療ネットワーク活用
    水島先生
  2. 北海道南西地域に於ける広域医療連携事業
    新見隆彦 (札幌医科大学)、遠藤力 (えんどう桔梗マタニティクリニック)、明石浩史 (札幌医科大学)、岡田晋吾 (北美原クリニック)、下山則彦 (市立函館病院)、木村眞司 (松前町立松前病院)、井上芳郎 (市立函館病院)、宮部昌生 (NORTH)、木田毅 (函館中央病院)、原量宏 (香川大学付属病院)、辰巳治之 (札幌医科大学)
  3. 医療情報ネットワークの応用
    藤野雄一 (はこだて未来大学)
  4. 分子レベルから個体レベルの情報ネットワークの解明と情報薬開発
    辰巳治之 (札幌医科大学)

13:45 〜 15:15

[Room B] 空

15:15 〜 15:30

クロージング

問い合せ先

PC

  • 秋山豊和 (京都産業大学)
  • 北辻佳憲 (KDDI)

LA

  • 藤川賢治 (情報通信研究機構)
  • 衛藤将史 (情報通信研究機構)

その他、本研究会に関しての問い合せは、質問フォームで受け付けています。

meet27 agenda

日程

  • 2010 年 5 月 20 日 (木) 〜 5 月 21 日 (金)

会場

  • 研究会
    • 独立行政法人 情報通信研究機構 (NICT) 本部 4 号館 2 階大会議室
    • 〒184-8795 東京都小金井市貫井北町 4-2-1
    • アクセス
    • 構内地図
    • NICT入館について
      • 守衛受付で入館バッジを受取って戴くことになります。
      • 参加登録をして頂いた方には、守衛受付で所属と名前を告げて戴ければ、それで入館バッジを受取れます。
      • 参加の御登録をなさっていない方は、申し訣無いのですが、守衛受付で名前を記入して頂くことになりますので、今からでも参加登録をして戴けると、御面倒が無いかと存じます。

主催

テーマ

  • インターネット全般

参加費

今回参加費は無料となっております。

参加申込み

  • 参加費は無料ですが、人数把握のために参加申込をお願いいたします。
  • 申込締切: 5 月 17 日 (月) (※但し、定員 80 名を越えた時点で締め切ります)
  • なお、宿泊の手配はできませんので、ご了承ください。

プログラム

詳細は ITRC meet27 プログラムのページをご参照ください。

1 日目 (2010 年 5 月 20 日 (木))

  • 12:00 〜 13:00 [Room A] ITRC 運営委員会
  • 13:00 〜 13:40 [Room A] ITRC 総会 / [Room B] デモ展示
  • 13:40 〜 13:50 オープニング
  • 13:50 〜 14:30 [Room A] NICT 宮原理事長挨拶、NICT 桐葉佳明様 講演「新世代ネットワーク戦略プロジェクト」 / [Room B] デモ展示
  • 14:30 〜 14:40 休憩 / [Room B] デモ展示
  • 14:40 〜 15:10 [Room A] デモ展示内容紹介 / [Room B] デモ展示
  • 15:10 〜 15:20 休憩 / [Room B] デモ展示
  • 15:20 〜 16:00 [Room A] Prof. DaeYoung KIM (Chungnam National University) 招待講演「Naming and Addressing of Future Internet」 / [Room B] デモ展示
  • 16:00 〜 16:10 休憩 / [Room B] デモ展示
  • 16:10 〜 16:50 [Room A] セッション 1 NICT セッション / [Room B] デモ展示
  • 16:50 〜 17:00 休憩 / [Room B] デモ展示
  • 17:00 〜 18:40 [Room A] セッション 2 NWGN 分科会セッション / [Room B] デモ展示
  • 19:00 〜 交流会

2 日目 (2010 年 5 月 21 日 (金))

  • 9:45 〜 10:30 [Room A] セッション 3 学生セッション / [Room B] デモ展示
  • 10:30 〜 10:45 休憩 / [Room B] デモ展示
  • 10:45 〜 12:15 [Room A] セッション 4 CIS 分科会セッション / [Room B] デモ展示
  • 12:15 〜 13:45 昼食 / [Room B] デモ展示
  • 13:45 〜 15:15 [Room A] セッション 5 MINX 分科会セッション
  • 15:15 〜 15:30 クロージング

交流会

5 月 20 日 (木) の 19:00 よりレセプションを行います。料金は当日受付にてお支払いください。(¥3,000 程度を予定しています。)

問合せ先

PC

  • 秋山豊和 (京都産業大学)
  • 北辻佳憲 (KDDI)

LA

  • 藤川賢治 (情報通信研究機構)
  • 衛藤将史 (情報通信研究機構)

その他、本研究会に関しての問い合せは、質問フォームで受け付けています。